キレーネの街はテラからやってきたギリシア人が紀元前7世紀に建設した植民市であったと考えられています。彼らはデルフォイの信託に従って故国の旱魃と飢饉をのがれ、リビアの海岸にたどり着いたのでした。彼らは「天空の穴」として知られる丘の斜面の雨が多く豊かな土地に住み着きました。
太陽神アポロはギリシアの土地では半分が馬で半分が人間の獣に乗っていました。ある日、ふと彼は目を見張るほどに美しい娘が素手でライオンと戦うのを見ました。アポロンは歩みを止めて娘の戦いぶりに見惚れていましたが、ふと彼の乗る獣がささやきました。「あなたさまはあの美しい娘を海を越えてゼウスの園まで連れ去り、故国を去って平原に囲まれた肥沃な土地へ行く民を治める王女としてめとる運命にあるのです。」
そこでアポロンは人々をテラ島から連れ去り、素朴な造りの船で海を越え、緑の山に住まわせ、ライオンと戦っていた娘をめとりました。彼女の名はキレーネといい、それにちなんで植民市に名が付けられました。 |