チュニジアは博物館の宝庫で、地理的には限られた空間ながらも,3000年に及ぶ地中海の歴史の宝を探索することのできる理想的な場所です。

チュニジアの歴史的背景は各時代によって区分されますが、時代区分だけでチュニジアの文化的豊かさを語りつくすことはできません。チュニジアいかに新たな文明が古い文明を借用してきたか、あるいはその上に建設されてきたかを示す生きた証といえます。たとえば地中海東岸のフェニキアの航海民族が、ベルベルやリビアの影響で独自の古代カルタゴ文化を創り上げるまで、いかに変容していったかを目の当たりすることができます。
古代カルタゴがローマの手に墜ちると、ローマ帝国は国を繁栄させるためにさまざまな古代カルタゴの建設技術と農業科学を取り入れました。
キリスト教時代初期には、聖アウグスティヌスのような偉大な人物も古代カルタゴの方言を使っていたといわれています。
イスラム文化がケロアンを中心に広がっていき、近代チュニジアを形成しましたが、その間もまだビザンチンの立派な聖堂の建設が続けられました。 |